高知県は、県全体を一つの大きな家族と捉える「高知家」というユニークなコンセプトを掲げています。これは単なるキャッチフレーズではなく、人と人とのとながりを大切にし、お互いに助け合うというこの土地に根付いた文化そのものを表しているものです。この温かい県民性は、医療や看護の現場においても他県では見られないような強い地域連携の力となって現れています。

たとえば、高齢患者さんの退院支援では、病院看護師が訪問看護師やケアマネジャーと電話やカンファレンスを通じて詳細な情報共有を行い、地域の診療所医師や民生委員とも連携を図りながらその人らしい在宅生活を支える体制を丁寧に整えていくのです。高知家の一員としての強い当事者意識が職種を超えたスムーズな協力の基盤となっており、患者さんご家族からも信頼されるチームづくりを実現しています。

このような環境で働く看護師は、病院という組織の中だけでなく地域全体という広いフィールドで活動することになるでしょう。患者さんの病状はもちろんその人の暮らしや家族関係、地域での役割といった背景までを深く理解し、多角的な視点からケアを考える力が養われます。ときには公的なサービスだけでは埋められない隙間を、地域のインフォーマルな支え合いの力で解決していくこともあるでしょう。こうした経験は、看護師としても一人の人間としても大きな成長をもたらしてくれるはずです。人と人とのとながりが希薄になりがちな現代において、温かい人間関係の中で専門性を発揮できることは高知県で働く魅力と言えます。